鳥海山でのバックカントリースキー・スノーボードは、4月下旬の山岳観光道路・鳥海ブルーラインの開通でシーズンイン。
山形県側、秋田県側ともに晴天時は極めて快適・爽快なアクティビティとなるでしょう。
サングラス着用、日焼け止め対策をしっかり行って楽しみましょう。
なお、自分の足で登る「100%のバックカントリー」なので、相応の体力と滑走レベルが必須です。
もしもの時に備えて、複数での行動をお勧めします。
5月下旬以降も楽しめるのは、山形県側は湯の台コース、秋田県側は祓川コースですが、そこは自然相手、融雪状況により毎年シーズンオフが変動しますので、最新の情報収集が必須です。当協会でも情報提供に努めてまいります。
5月中旬以降はブッシュが出てきますので、特に下りの際にルートを外さないように細心の注意が必要です。下りで雪渓が途切れてしまった場合は、無理してヤブこぎせずに登り返して正しい下りルートを探してください。絶対にその方がいいです。
近年はバックカントリーでの大きな事故はありませんが、いずれのコースも悪天候時は状況が一変、一面の雪原に下山方向を必ず見失います。天気が悪い時は潔くあきらめて、次の機会を楽しみに体力維持に努めましょう。鳥海山は必ずほほえんでくれます。
残雪期、笙ヶ岳~三峰の急峻な南斜面でスキー・スノーボードを楽しまれる方が増えました。
現地はクレバスがあり、雪庇の崩落や雪崩が発生する危険がありますので十分ご注意ください。
2022年春には死亡事故が発生しています。
2022年10月8日(土)、湯ノ台口河原宿の大雪渓のわずかに残った雪渓で滑っている方がいました。
道具一式を担ぎあげる体力とスキーレベルに脱帽。超上級者以外は真似しないでくださいね。
主なコースと特徴(※晴天時の日帰りを想定)
コース | 特徴、注意事項 |
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大平(おおだいら)コース |
山岳観光道路・鳥海ブルーラインを利用。日本海に向かっての滑走は爽快そのもの。駐車場は大平登山口、鉾立登山口のほか、道路脇の駐車帯もあります。道路開通(4月下旬)から当分の間は夜間通行止め(午後5時~翌朝8時)となるため、午後4時頃までには駐車場に下山し標高約550mの通行止めゲートから退出する必要があります。登り口にブッシュが出始めると終了になります。 大平コースは例年道路開通後の最初の晴天時に、遭難防止用の指導標(竹)を設置しています。 |
湯ノ台コース |
県道鳥海公園青沢線は基本的に除雪をしません。入山者が少ないのでルートファインディング技術は必須、登高距離が長いため体力的にもきついことからベテランとの同行をお勧めします。5月の連休頃までは、スノーモ-ビルで入山する方が多数います。 スキー板・靴を担いで登るガッツのある方は、8月上旬頃まで大雪渓・小雪渓で滑走が可能。ただし上級者限定。 |
祓川コース(秋田県) |
例年、大型連休に合わせて道路除雪しています。残雪も豊富で天気が良ければ標高差1,000mの雄大な滑走が楽しめます。ただし、コースの上半分、特に外輪山(七高山)直下は急斜面なので、スピードを抑えて安全滑走をこころがけてください。上級者以外は無理して上に登らず、中腹の斜面で滑走を楽しんだ方がいいと思います。 問合せ:由利本荘市矢島総合支所(電話:0184-55-4953) |
※大型連休前の鳥海山は、アプローチが長く相応の体力、積雪期の登山技術が必要です。
雪山では、滑落・雪崩・ホワイトアウト・雪庇・クレバス・天候の急変などの危険が常にあります。
入念な準備・情報収集のもと入山ください。
※遭難しないための心がけ
①天気予報を確認し、条件の悪い時は入山を控える。
②登山届けを提出し、家族等に行先を伝える。
③スマートフォン等のGPS機能を有効にし、予備電池も携帯する。
④今いる場所を常に把握し、よくわからない山域には立ち入らない。
⑤自分たちで対処できない事態の際は、早めに救助を要請する。